2025年、年頭所感 碇社長インタビュー
2024年1月1日
リングロー株式会社
代表取締役 碇敏之
明けましておめでとうございます。
2025年の幕開けにあたり、碇社長、恒例の年頭所感をインタビュー形式でお届けします。
今年は、社長のビジョンや経営哲学をより深く掘り下げるため、対話形式での2時間におよぶ特別ロングインタビューを実施しました。
2024年の振り返りからマネジメント論や業界全体の展望、現在関心を持たれている事などが碇社長の率直な言葉で語られ大変興味深い内容となりました。
2024年の振り返り
本日はお時間をいただきありがとうございます。 早速ですが、2024年を振り返ってどのようなことが印象に残っていますか?
2024年は、本部体制を整えていく中で、社員みんなが非常に頑張ってくれた年だったと思います。そのおかげもあり経営環境は大幅に改善され業績は順調に推移していて、2025年はこれまで以上にお客様にご満足いただけるサービスを提供できる見通しです。ただ、最近のニュースでも話題になっていますが、円安や物価高の影響はもちろんあり、やりづらい状況ではあります。大手企業ならある程度対応できるでしょうが、私たちのような中小企業では一筋縄ではいきません。
個人的に印象的な出来事はありましたか?
印象に残っているというか、個人的な話になりますが、寿司作りにすごくハマっています(笑)。もともと釣りが好きで、釣った魚をどう美味しく食べるかを考えるのが楽しかったんです。ただ、釣りに行く回数を減らしたこともあって、その分、自宅で寿司を握ることに時間を使うようになりました。
寿司作りですか。それはまた意外ですね。具体的にはどのように楽しんでいらっしゃるんですか?
例えば、近所の市場に行って安くて良いネタを仕入れてきます。それを自分で工夫して、寿司に仕上げるんです。最近では酢飯の配合にもこだわっていて、自分なりのオリジナリティが出せるようになりました。お客様や知人に食べてもらう機会もありますが、「近所の寿司屋より美味しい」と言ってもらえることもあって、すごく嬉しいですね。
リユース業界の現状
そのこだわりは、リユース事業ともつながる部分があるのでしょうか?
そうですね。リユース事業も、安くて良いものを見つけて、それに価値を付けて提供するという点では寿司作りと通じるものがあります。市場では、新鮮な魚を見極めるのが大事です。早朝5時から6時くらいの間に行かないと良いものはどんどん売れてしまうんですよね。目利きが求められるので、どれくらいの品質か、脂の乗り具合かをしっかり見て選びます。良い素材を選び、それを最大限活かすというところが共通していますね。
なるほど、まさにそのとおりですね。 それでは昨今のリユース業界の現状はどのように捉えられていますか?
リユース業界は、長い歴史があるわけではなく、まだ発展途上の部分が多いと感じています。特に、業界全体としては、新しいことに挑戦する姿勢が弱いのではないかと思う場面があります。現状の利益を維持することを重要視しすぎて、リスクを恐れているのかもしれません。ただ、自分たちのような事業者が、今まで捨てられてきたものや、価値を見出されていなかったものに新しい付加価値を与えることで、業界全体の可能性を広げていけると信じています。
業界のマンネリ化と突破口
リユース業界について日々思うことはありますか?
同じことを繰り返して収益を得ることに慣れてしまい、新しいことを始めると不安視されることが多い業界ですが、その枠を超えることが重要だと思います。例えば、PCやタブレットのリユース市場では、まだまだ使えるものが多く眠っています。そういった製品をいかに活かすかが鍵です。特に、リユース業界の中でPCやタブレットは10年以上前から取り組んできましたが、ようやく価値が再定義されつつあります。これを機に、業界全体で新しい可能性を模索できればと思ったりしますね。
リユース業界の未来
リユース業界の今後は明るいものになりますか?
リユース事業は、まだ成長の余地が大きい分野です。「中古品なんて誰が買うのか」と言われた時代もありましたが、今ではそれが一つのビジネスモデルとして認められています。特にPCやタブレットのリユースは、環境への配慮やコスト削減の観点から需要が高まっています。しかし、業界内にはまだ課題が多く残されています。たとえば、商品に付加価値を与える手法の標準化や、リユースに対する意識の普及などが挙げられます。こうした課題を一つ一つ解決していくことで、業界全体の地位向上につながると考えています。
価値の再定義
それではリユース業界の進むべき方向性はどのようなものと考えていますか?
「価値の再定義」という言葉が、リユース事業の核心を表していると思います。ただ再利用するだけでなく、それに新たな価値を加えることで、さらなる可能性を引き出すことが目標です。たとえば、地方自治体が廃棄する予定のPCを回収し、学校や地域住民のために再整備する。こうした取り組みは、物理的なリサイクルだけでなく、教育や地域支援という社会的価値をもたらします。
リングロー社員にむけて
「価値の再定義」良い言葉ですね。ここまでは2024振り返り、業界動向などを伺いましたが、リングロー社員に向けて2025年年初に伝えたいこと、特に若い世代へ感じていることなどがあればお願いします。
若い人たちには、どんな環境でも自分なりの価値を見つけてほしいと思います。自分の若い頃は、もっとガツガツやれよとか、そういう時代だったけど、今は違います。若者を一括りにして評価するのは難しく、それぞれの個性を活かすのが大事で、音楽でいう和音みたいなものと捉え方が出来ると考えています。個人個人が奏でる旋律を意識することで、世代間での価値観の違いはあるけれど、それを受け入れ調和を図りながら、各部署やセクションが連携して、会社全体が一つの旋律を奏でるように動けたとき、最大の成果が出ると感じています。自分自身も、音楽の旋律と会社や世の中の動きが似ていると感じることがあります。
声とコミュニケーションの重要性
和音と旋律ですか。大変興味深いですね、共感です。そのうえでは個々人のコミュニケーション力がとても大切かと思いますが、いかがでしょうか?
そうですね、人の声には、その人の感情や自信が表れると感じています。オンライン商談などが増えた今、相手の声のトーンや息遣いなどから、その人の気持ちや状況を感じ取ることが大切だと思います。特に自分の場合、相手の話している内容よりも声の音としての側面に注目することが多いです。それが信頼できる声なのか、不安を抱えているのか。私はそういった細かいニュアンスを拾うのが得意なのですが、そのような感覚を磨いていくのも良いのではないでしょうか。
2025年の展望
ありがとうございます。それでは最後の質問となりますが、2025年の課題・展望をお聞かせください。
2025年は何か大きな取り組みをするにはまだ準備期間だと思います。タイミングを見ながら、人材やリソースを整えていくことが課題です。リユース業界も変化の時期にあり、今後の方向性を見極めて、新しい価値を提供できるような取り組みをしていきたいです。特に、地方自治体や企業との連携をさらに深め、リユース事業を中心に据えた新しい価値創造を目指します。そのためにも、現在の活動をさらにブラッシュアップし、未来の課題に備えたいと思います。
碇社長、本日は長時間のインタビューありがとうございました。本年もよろしくお願いいたします。
会社概要
碇 敏之(いかり としゆき) 1973年、北海道生まれの元漁師。高校中退後、ミュージシャンを目指し上京。2001年に有限会社リペアシステムサービス(現:リングロー株式会社)を設立。主力事業は中古パソコンの販売・修理・買取。2018年4月に販売を開始した、本体と電話サポートが無期限保証になる中古パソコン「R∞PC(アールピーシー)」をはじめ、廃校活用の「おかえり集学校プロジェクト」を立ち上げるなど、斬新な取り組みで業界をけん引している。2023年3月、「おかえり集学校プロジェクト」を分社化。
名称:リングロー株式会社 http://www.ringrow.co.jp/
本社所在地:〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-8-8 THE CORNER池袋4階
事業内容:中古パソコンの販売・修理・買取
報道関係者お問い合わせ先
■リングロー広報担当:藤井(ふじい)
TEL:050-3645-3862
FAX:050-3358-2391
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